レイヴパーティーの聖職者またはダメ男による福音
エディンバラ出身スコットランドの電子音楽プロデューサー、Barry Can’t Swimの2023年デビューアルバム『When Will We Land?』より『Deadbeat Gospel』

イギリスのクラブカルチャーの歴史のようなMV(歌詞付き)
Um yeah, I would love this
If you don’t mind, I’d really like that
Yeah, because, I, I’d like to use it for something, and then obviously
I
I love, love, love the humble in this world
Anyway, right, here we go
Is it recording? (Go for it, man)
So
これ気に入ったよ
もしよければ、すごく気に入ったから
何かに使わせてもらいたい、当然のことだけど
僕は
僕はこの世の謙虚な人たちを愛してるんだ
とにかく、なあ、始めよう
録音してる?(やってみようぜ)
そうだ
Try and envision a religion that’s based upon smooth transitions
And rhythm like a conjugation across nations
Celebrate the fact that the weekend has landed, see
We don’t believe in omnipotent beings in the skies above all exist
Now it’s peace, love, and green doves
See, in our church, we don’t recite passage
We keep Holy the Sabbath as we listen to Nina Kraviz
And we patiently wait at pearly gates which open late and close somewhere in the early hours
Our church is teeming with sinners in need of redeeming
Heathens ready to believe what we believe in
滑らかな変化を礎にした信仰を想像してみて
国境を越えた文法の活用のようなリズム
週末がやって来たという事実を祝おう
俺らは空の上にいる全知全能の存在なんて信じない
今は「平和、愛、そして緑の鳩」だ
俺らの教会では、聖書の一節なんて唱えない
Nina Kravizを聴きながら安息日を神聖に保つんだ
俺らは真夜中に開き、明け方に閉じる真珠の門の前でじっと待つ
俺らの教会は、救いを必要とする罪人たちであふれてる
俺らが信じるものを信じる覚悟のある異教徒たちさ
I’m a minister of sound
Must be them green doves kicking in
俺は音の聖職者
緑の鳩が効き始めたに違いない
Try and envision a religion that’s based upon smooth transitions
Shameless, nameless, blameless faces that put blind faith in Chase & Status
Their amazing graces, their faith in Faithless
If God is a DJ, then we pray that he plays deep basses
Forever and ever and ever and ever, amen
Because I’m baptised in my own sweat
There’s no communion, we’ve only got community
DJ killing it so much, I wrote a fuckin’ eulogy
滑らかな変化を礎にした信仰を想像してみて
恥知らずな、名前のない、罪のない面たちがChase & Statusに盲目的な信仰を捧げてる
彼らの素晴らしい恵み、Faithlessへの信仰
もし神がDJなら、俺たちは彼がディープベースをプレイするよう祈る
永遠に、永遠に、永遠に、アーメン
俺は自分の汗で洗礼を受けたんだ
ここには聖餐はない、あるのは仲間だけ
DJが最高にイケてて、弔辞を書いたくらいだ
That I can literally feel the music
I am a minister of sound, and
I’ve got a choir of high-definition speakers blasting me with blasphemy
And sacrilegious instruments
I’ve got a glorious chorus, Notorious and his Ten Crack Commandments
俺はガチで音楽を感じられる
俺は音の聖職者
高音質スピーカーの聖歌隊が冒涜を浴びせてくる
不信心な楽器たち
輝かしいコーラス、The Notoriousの”Ten Crack Commandments”
Try and envision a religion that’s based upon smooth transitions
And rhythm like a conjugation across nations
Celebrate the fact that the weekend has landed, see
What?
For his final coup de grâce, the DJ fixes the switches
And triggers a mix of Prince’s “Kiss” that I’ve just never heard before
But I am convinced and those who aren’t
They scream, “one more tune”
滑らかな変化を礎にした信仰を想像してみて
国境を越えた文法の活用のようなリズム
週末がやって来たという事実を祝おう、
な?
そしてDJが最後の止めの一撃としてスイッチを合わせる
そして初めて聴くPrinceの「Kiss」のミックスが流れ出す
俺は完全にやられた そして納得してない奴らは
「もう一曲!」って叫ぶ
He says, “Jack, go in peace and love
But for God’s sake, kid, now stay off the drugs”
And this is the gospel according to some deadbeat
(How you doing there, brother, are you alright?)
(‘Int it, mate? ‘Int it? ‘Int it?)
彼は言う「ジャック、平和と愛を持って行け、
だが頼むからドラッグはやめとけ」
これはとあるダメ男による福音ってわけさ
調子はどうだい、大丈夫か?
だろ? だろ? だろ?
the humble:謙虚さ、慎ましさ
envision:想像する
religion:宗教、信仰
conjugation:結合,連結、(動詞の)活用法、語形変化
omnipotent:全能の
recite:朗読する
Sabbath:安息日
Nina Kraviz:世界のダンスミュージックシーンを牽引するクールなロシアの DJ、音楽プロデューサー。
kick in:(スラング)効果が出始める、盛り上がってくる
teem with:~で満ちあふれている
in need of:~を必要としている
redeem:償う、救出する、贖う
heathens:不信心者、異教徒たち
Chase & Status:イギリスの音楽デュオ。ドラムンベース、グライム、ダブステップを融合させたサウンドでフロアを狂乱させる。
Faithless:イギリスのエレクトロ・バンド。アッパーとダウナーを自在に行き来する壮大な世界観のエレクトロニック・ミュージックを発信する。
baptise:洗礼を施す
communion:聖餐(はイエス・キリストの最後の晩餐および、後にその再現として執行してきた典礼的会食)
kill it:(スラング)イケてる、大成功する、すごく上手くやる
literally:文字通り、マジで、ガチで、本当に
blast:大きな音を出す、がなり立てる
blasphemy:神への不敬,冒涜
sacrilegious:不信心の、神聖を汚す、神聖冒涜の、罰当たりな
The Notorious B.I.G.:アメリカ合衆国のMC、ラッパー。『Ten Crack Commandments』(クラック十戒)と題された楽曲は、元ドラッグディーラーから成り上がったNotorious B.I.G.が自身の経験を元に書き下ろした「ドラッグ稼業で成功するための10ヶ条」。詳しくはこちらの記事にて。一般社会に生きる私たちにもヒントになるところがあるようです。
coup de grâce:(fr)情けの一撃、致命傷を負った者を楽にするためのとどめの一撃
trigger:引き起こす,誘発する,引き金となる
Prince:言わずと知れたアメリカのミュージシャン。『Kiss』は1986年のアルバム『Parade』からの全米1位ヒット曲。
be convinced:納得する、胸に落ちる
for God’s sake:お願いだから、頼むから
stay off:~に立ち入らない、~を避ける、~を控える
gospel:福音(キリスト教の教義)
deadbeat:怠け者、のらくら者、無一文の人
‘int it:でしょ?、だよね?(イギリス英語でisn’t itの略)
mate:(イギリス英語)友達や仲間を意味するカジュアルな呼びかけの言葉
Barry Can’t SwimことJoshua Mainnieのデビューアルバムの中でも一際、祝祭的なビートに載るポエトリーリーディングが印象的なこの曲が生まれたのは、アイルランドでの公演後、彼の友人であり北アイルランドの詩人Jack Loughrey somedeadbeatが、自作の詩を朗読したことがきっかけでした。
“I hadn’t seen my mate somedeadbeat for about six years but he’d come along to the show that night. As everyone was sitting around getting steaming, he started reciting this poem he’d written. It was class…”
“I pulled out my phone, pressed record, and asked him to recite it one more time… Long story short, we turned it into a tune. It’s called ‘Deadbeat Gospel’.”
「6年くらい会っていなかった友達のsomedeadbeatが、その晩のショーに来たんだ。みんなが酔っ払って座ってる中、彼は自分で書いた詩を朗読し始めたんだ。最高だったよ…」
「スマホを取り出し、録音ボタンを押して、もう一度朗読してもらいました… 簡単に言うと、それを曲にしたんです。『デッドビート・ゴスペル』っていう曲です。」
原文はこちら
曲の冒頭部分は、まるで彼が友人の詩に感激した時の会話そのもののようです。
『just stand there – Fred again.. & SOAK』、『I Have A Love – For Those I Love』で繰り返し推しております、ダイナミックなダンスミュージックと繊細なポエトリーリーディングとの邂逅は、歌詞の内容を知るとより迫ってくるものがあります。
イギリスのクラブカルチャーを彩る実在のアーティスト名が出てくるのも楽しいです。
知らない人同士が音楽という信仰で高揚感を共有する素晴らしさについて、彼が語っているRollingStonesのインタビューはこちら。
フジロック2025にもぜひsomedeadbeatさんも呼んでほしいところです!
2025年7月11日に発売されたばかりの2ndでも美しい詩とエレクトロミュージックとのコラボレーションを聴くことができます。こちらは歌詞対訳付きです!

